普段、出張が多いせいもあり、テレビはあまり見ません。
どうしても見たい番組がある時は予約録画して、時間のある時に、ゆっくり見ています。
たまに、なんとなく見る番組は、ニュース番組だけです。
ニュースでは、頻繁に、「いじめ」のことが、取り上げられ、有識者たちが、いろいろな議論をしたり、具体案を提示したりしていますね。
「いじめ」の話題は、テレビで見る度に、昔の自分の体験も思い出しながら、とても悲しい気持ちになります。
特に、ちょっと前にあった、「いじめ」の事件で、男の子が殴られて、目が黒くなっている写真は、自分自身の中学時代と重なり、なんともいえない気分になりました。
何回か書いたことがありますが、私自身も、中学1年生から2年生にかけて、この男の子のようないじめを、うけていました。
毎日が地獄で、本当に殺されるかと思っていました。
外国での戦争も悲惨ですが、日本でも、「いじめ」という戦争が、たくさんの場所で、行われているのです。
日本も局所的には戦場なのです。
現在、「悪の根源」というテーマで、セミナーを始めましたが、世界情勢の中で、国と国との関係にも、「いじめ」の構造が関係しています。
大切なことだと思うので、もう一度、「いじめ」の話を書いてみましょう。
特に、現在、学校や職場などで、いじめで苦しんでいる若者、そして、その親御さんのために再掲載します。
日本においては、昔は、「学校」という場所は、一種の聖域のような扱いの場所で、学校の中での問題には、よっぽど殺人事件でもないかぎり、警察などが介入することは、なかったようです。
私のあやふやな記憶によると、30年以上くらい前に、どこかの県で、
「学校内の校内暴力が、あまりにも酷い」
ということで、その学校の校長先生が警察に通報して、警察官のグループが学校の中に入ったことがありました。
警察がこういうかんじで、学校内に入ったのは、日本では、その時が初めてだったそうです。
だから、警察が学校に堂々と入るというのは、比較的最近の出来事だということです。
これが、いいことなのか、悪いことなのかはわかりません。
参考までに、アメリカの「いじめ」の事情について書いてみましょう。
アメリカは、日本の社会と、いろいろ違うのですが、やはり、一番の違いは犯罪の多さです。
その中でも特に、拳銃の問題は大きいです。
アメリカでは、数十年くらい前に、全米を震撼させた、いじめによる事件がありました。
詳しいことは忘れましたが、9歳の男の子が、ずーっと同級生から、いじめを受けていて、苦しんでいたそうです。
ある日のこと、その男の子は、家にあった父親の拳銃を持ち出し、教室の中で授業中に、いじめっ子の前に、スタスタと歩み寄り、銃口を顔の前に突き出し、
「これでも、まだボクのことを馬鹿にするのか?」
こう言ったあと、引き金を引き、
バーン!
という銃声とともに、そのいじめっ子を射殺したのだそうです。
日本では、まだここまでの悲劇は起こっていませんね。
一般的には、アメリカ人はフレンドリーだと言われていて、確かにそういう面もあるのですが、アメリカに住んでいたころ、夜のガソリンスタンドなどでも、
「ハロー!」
と挨拶してくるのを見て、
「ああ、そうか! アメリカ人の挨拶の中には、私は、怪しい人間ではありませんよという、アピールも含まれているのだな。お互いに怖がっているんだな…」
と考え直しました。
彼らが、すぐに、
「エクスキューズミー」
という言葉を使うのも、同じ理由かもしれません。
アメリカでは、喧嘩自慢をする人は、日本に比べると、あまりいないそうです。
見知らぬ人間と、喧嘩など怖くてできないのです。
誰が拳銃を持っているか、わからないからです。
日本人が日本で、見知らぬ人と酔っ払って喧嘩ができるのは、拳銃があまり出回っていないせいだと思います。
日本の暴走族なども、アメリカでは、暴走行為はできないと思います。
アメリカで暴走行為などしたら、警察や住民から、すぐに射殺されます。(苦笑)
そういう観点から見た場合、日本人は、かなり社会に甘えていると思います。
「いじめ」の歴史ですが、これは、人類の歴史が始まってから、ずーと続いている問題のようです。
ただ近年、法律で世界で一番最初に、「いじめ禁止法」を制定したのは、スウェーデンで、これは、1994年に、政府が学校内で起こる全ての「いじめ」を禁止し、学校側に、いじめ防止を義務づけたものだそうです。
アメリカでは、1996年に、サウスカロライナ州で、学校内の「いじめ」を含めた暴力事件を、地元の警察(司法省)に報告することを義務づける、「学校犯罪報告法」が制定されるなど、すこしづつ、これを撲滅しようとする動きが広がっているようです。
アメリカは、「いじめ」にも、学校でも拳銃が使用されることが多く、日本よりも、その点は深刻な問題のようです。
アメリカの「いじめ対策」は、日本と違い、とてもユニークで、興味深いです。
まず、日本では、
「いじめは、加害者だけでなく、被害者にも責任がある」
と長い間考えられているのに対し、アメリカでは、「いじめ」を、「レイプ事件」と同等に扱っており、このような日本の考え方は、
「レイプされた被害者に、あなたの側にも責任があったのではないか?」
と聞くようなものとして考えられ、
「いじめは、あくまでも加害者が悪い」
ということを前提に、裁判などが行われているそうです。
ご存知のように、アメリカでは、
「自分の身は自分で守る」
という自主性の考え方が、強いのですが、いじめに関しては、日本のような、
「いじめられたら、いじめ返してやれ!」
という考え方は、いじめ専門家の間でも、あまりないそうです。
理由は、
「いじめは、最初からアンフェアな状況で行われるため、アメリカ人が大切にしている、フェアプレーの精神が当てはまらないから」
だそうです。
「いじめは、加害者と被害者の力の差がはっきりしていて、被害者は最初から加害者と闘うだけの力は備えていなく、もし備えていれば最初からいじめられない」
という理屈だそうです。
そのとおりだと思います。
アメリカの「いじめ対策プログラム」には、いろいろ考えさせらるものが多いです。
例えば、学校などでは、日本などでは、すぐに教師に問題の対策を迫りますが、アメリカでは、
「いじめの85%は、教室以外の場所で発生している」
と様々な調査から分析し、教師よりも、学内食堂(カフェテリア)のスタッフや体育館の管理人、学校内の警備員、学校近くの商店街の商店主、近所の主婦、老人などに、「いじめ」を目撃したら、
「すぐに、スクールカウンセラーに報告するように」
と学校側が指導しているそうです。
このあたりは、やはり進んでいると思います。
また被害者へのアドバイスにしても、アメリカは、
「いじめられたら、すぐにウォーク・アウェイ(立ち去る)するのがよい」
「からかわれても、すぐに怒ったり泣いたりせず、ユーモアなどで言い返しながら、さりげなく矛先をかわしてください。正面から向かってはダメです」
などと、日本とはすこし違った対応を教えるようです。
興味深いデータも、たくさんあり、あるアメリカの心理学者が、13歳の子供から、「6~12歳まで、いじめっ子だった」生徒を選び、調査すると、
「いじめっ子のテストステロン(男性ホルモン)の分泌量は、普通より少ない」
という研究データを発表しています。
これは、
「男性ホルモンの分泌量は、社会的な成功に比例する」
という仮説があり、一般に成功者というものは、これの分泌量が多いそうです。
この点から見た場合、「いじめっ子」というものは、実は自分達は、
「弱いものをいじめられる自分達は、学校の支配者だ」
と思っている場合が多いそうですが、科学的には、「敗北者」が、とても多いのだそうです。
この「いじめっ子」の追跡調査によると、3年後、16歳で彼らのほとんどが、地元のギャング集団に入ったそうなのですが、その中で彼らの攻撃性が、その集団で評価されるようになると、水を得た魚のように生き生きしてきて、男性ホルモンの分泌量が増えたそうです。
つまり、「いじめっ子」のほとんどは、学校では、「敗北者」なのですが、ギャング集団の中では、科学的に「成功者」になれたそうです。
ノルウェーのダン・オルウェーズ博士が行った調査によると、小学生から中学生時代に、「いじめっ子」だった生徒の約60%が、24歳までに何らかの犯罪を1回は犯して、有罪になっているそうです。
普通の生徒よりも、4倍の確率だそうです。
これはもはや、「教育問題」ではなく、「国家の大問題」です。
いじめっ子の矯正は、可能らしいのですが、なるべく早い時期に、できれば、4~5歳までに、やっておいたほうがいいそうです。
本当のいじめっ子というものは少なく、ほとんどのいじめっ子は、学校の友達を、いじめても、自分の弟などが、いじめられていると、自分の弟は助けるという「やさしさ」も、同時にもっている場合が多いそうです。
アメリカでは昔から、他にも学校の授業で、「ロールプレイ(役割演劇)」などで、様々な角度から、生徒に「いじめ問題」を考えさせたり、学校内で、生徒の中から、「調停員」を選び、生徒同士で「いじめ」などの問題解決をする、「コンフリクト・レゾル―ション」などが、全米の2000校以上で行われているそうです。
日本においては、社会的な解決方法は、義務教育の見直しかもしれません。
義務教育というシステムは、国家が、親に子供を、学校に行かせる義務があると、強要しているのですが、子供たちに強要しているわではありません。
子供たちには、学校に行く義務はないみたいです。
さらに、この義務教育制度ができたのは、戦争中で戦争のための兵隊を養成するのも、目的の一つだったようです。
現在では、それほど必要なものではないと思います。
もしくは、義務教育の期間を、現在の中学3年生までではなく、小学4年生くらいまでに引き下げて、それ以上学びたい生徒は、自主的に自分で、高等教育を受けるようにするという、選択の幅を大きくするというのも、解決策の一つかもしれません。
あるコメンテーターが、テレビで話していたのですが、クラスというのはただ単に、同じ地域の子供たちが、同じ年齢だったというだけで、集められた集団だそうです。
つまり、山手線に乗ったら、たまたま同じ車両に乗り合わせた、同じ車両の集団のようなものだそうです。
だから、その集団のグループ全員と理解しあったり、仲好くなることは不可能なのです。
これを、クラスの担任の先生が、
「みんな仲好くしなさい!」
などと説教するから、それを守ろうして、生徒たちが苦しくなるのです。
意地悪な生徒だったら、
「そんなこと言っている先生は、職員室の先生方全員と、仲好くやってるんですか?」
と、ツッコミを入れると思います。(笑)
いじめられている子どもたちに、私たちが、一人の大人として言ってあげられる一言は、ただ一つ、
「学校なんて、行かなくてもいいんだよ」
この一言だけで、いいと思います。
これだけで、子供たちはだいぶ楽になると思います。
深い内容の記事なので、シェアさせていただきます。
「上手にうそをついて」という題で、漫画家の西原理恵子さんが書かれたものです。
下記、コピーです。↓
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「上手にうそをついて ~いじめられている君へ~」
うそをついてください。
まず仮病を使おう。
そして学校に行かない勇気を持とう。
親に「頭が痛い」とでも言って欠席すればいい。
うそは、あなたを守る大事な魔法。
人を傷つけたり盗んだりするのでなければ、うそって大事よ。
これからも、上手にうそついて生きていけばいいんだよ。
亡くなった夫は、戦場カメラマンでした。
戦場で銃を突きつけられたことが何度もあったけど、一番怖かったのは、少年兵だって。
大人は残酷な兵士にもなるけど、家に帰ったらやさしいお父さんにもなる。
愛することや大事なものを知ってるから。
でも、少年兵は物事の重大さが分からず、簡単に人を殺しちゃうんだって。
生前にそう言っていました。
子どもってそういう生き物。
「子どもなのになぜ?」って思うかもしれないけど、戦場の理屈だと、そうなんだって。
いくら紛争地帯でも、年間3万人も死ぬことはそんなにありません。
でも、日本ではそれくらいの人々が自殺しています。
そう、この国は形を変えた戦場なんです。
戦場では子どもも人を殺します。
しかも、時には大人より残酷になる。
学校は、いじめられてつらい思いをしてまで行くようなところじゃない。
長い夏休みだと思って、欠席してください。
そして、16歳まで生き延びてください。
高校生になれば、通信制高校やフリースクール、いわゆる大検など選択肢が広がります。
何よりもアルバイトができる。
お金をもらいながら、社会人にふさわしい訓練を受けられます。
お金を稼ぐということは自由を手に入れるということ。
その先に「ああ、生きててよかった」と思える社会が必ず待っています。
(西原理恵=漫画家)
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この文章から、深い愛情を感じます。
たしかに、戦場では、少年兵が、一番怖いみたいですね。
自分の体験からも、大人になってからのいじめよりも、子供の頃のいじめが、残酷だったと思います。
子供って、物事を知らないから、いくらでも残酷になれるみたいです。
昔は、子供同士の喧嘩に、親が出ると、
「子供の喧嘩に、親が出たー!」
とバカにされたものですが、最近の子供同士の喧嘩の場合、状況によっては、
「子供の喧嘩に、親は出なくてはいけない」
ということも、多くなってくるかもしれません。
自分の子供を守れるのは、親だけなのです。
大学時代、ある心理学の教授と、「いじめ」について、いろいろと話した時に、その教授は、
「いじめは、自分を強くするために、自分で選んで設定した魂の試練のようなものかもしれない…」
と言っていました。
もしかしたら、そうかもしれませんが、それにしては厳しすぎる試練です。
これからの時代には、ここまで過酷な試練は、もう必要なくなってくると思います。
☆私自身のいじめ体験などを書いた過去の記事です。
まだ読んでいない方、ぜひ読んでみてください。
「いじめ編」
http://www.tomaatlas.com/ijime.htm
☆私の著書、「地球を創った魔法使いたち」も、絶賛発売中です。
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