本当の自分
旧ブログで人気のあった記事を、こちちらの新ブログでも、これからバンバン再掲載していきます。
数年前に、友人たちとランチしていて、面白い話になりました。
それは、
「最近の若者は物事を、白か黒か? YESかNOか? いいか悪いか? などの二択で考える傾向が、強くなってきているのではないか?」
という話でした。
つまり、途中の「グレーゾーン」を無視して、
「白でなければ黒である。黒でなければ白である」
という思考パターンに、なりやすくなっているということです。
これは売れている本や講演会、セミナーなどの影響も大きいのかもしれません。
真面目な人ほど、このワナに落ちるみたいです。
たとえば、スピリチュアルな本には、
「自分らしく生きることが大切です。偽りの自分を演じるのはやめましょう」
と、書いてあったりすることが多いのですが、これを完璧にやろうと思うと、現実の社会では大変です。
そもそも、会社勤めをやっている人が、本音だけで仕事をしていたら、トラブルの連続になります。
実際の仕事の現場では、なんでもかんでも、正直に話すなんてことは、まずできないからです。
ある程度、建前やお世辞、社交辞令、遠まわしの言い方、こういう会話で成り立っているのが、現在の人間の社会なのです。
以前、槇原敬之さんのヒット曲で、「どんなときも」という歌がありましたが、
「♪ どんなどきも、どんなときも、僕が僕らしくあるために… 」
という歌詞のように、たしかに、どんなときも、自分らしく生きられたら理想なのですが、実際には、どんなときも、完全に自分らしく生きようと、思ったら、
「無人島で暮らすか、億万長者になる」
という選択肢くらいしか、現在の世の中には、残されていません。
やはり、ある程度、他人に合わせたり、妥協したり、場合によっては、偽りの自分を演じたりしながら、生きていくのが、ほとんどの人の人生なんだと思います。
「自分らしく生きられない。もうこんな仕事は嫌だ。もっと本当の自分の人生を生きたい…」
こういう若者の気持ちは、よくわかります。
ただ、ここで、別の視点も提案しておきますね。
ある本に、面白い意見が書いてありました。
著者の方が、
「偽りの自分を演じることって、そんなに悪いことなのか?」
と、提案していたのです。
「あきらかに、嘘ばかりつくのは、もちろん悪いことですが、自分らしくないことは、まったく、やりたくないという、潔癖症の若者には、仕事というのは、ある程度、相手に合わせるために、本来の自分とは、違う自分を演じることも、状況によっては、大切なことも多いと思います」
これは貴重な意見です。
自己啓発系のセミナー、そして、スピリチュアルな内容のセミナーでは、
「偽りの自分の仮面をとりましょう。本当の素顔で生きましょう。自分らしくないことは、すべてやめて、自分らしく生きましょう」
という内容が多いのですが、この本では、
「たまには、偽りの仮面を被ってもいいですよ。状況によっては、本当の自分を偽っても、いいのですよ」
と、やさしく説いているのです。
昔の知人ですが、自己啓発や精神性のセミナーを、たくさん受講して、
「本当の自分を知りたい。本当に自分らしい生き方をやりたい」
また、
「どうしても、悟りを開きたい。悟りを開いて、人生を自由に生きて生きたい」
こう言いながら、なかなか実際の生活の中では、それができなくて、苦しんだ挙句、人格障害者になってしまい、ダメになってしまった人がいたことを、思い出しました。
今、考えると、その人には、
「自分らしく生きることに、それほど執着しなくてもいいですよ。悟りなんか、別に開かなくても、いいんですよ」
こう言ってあげる人が、必要だったのかもしれません。
「演じる」という行為を、日常生活の中で、もっと楽しんでも、いいのではないでしょうか?
考えてみれば、映画やドラマ、漫画などのヒーローは、偽りの自分を演じている場合が、多いです。
古いかもしれませんが、「ウルトラマンシリーズ」の主人公など、普段は普通の人間です。
これが、危ない場面でウルトラマンに変身するから、カッコイイのです。
ウルトラマンが、「本当の自分」の姿で、いられるのは、だいたい3分間くらいです。
それ以上は、カラータイマーが点滅して、「偽りの自分」である、普通の隊員に戻ってしまいます。
でも、だから面白いのです。
最初から、最後まで、ウルトラマンだけが、出てくる話だったら、面白くもなんともありません。
ほとんどのヒーローが主人公の映画やドラマは、全部そうですね。
主人公は、上映時間の大半を、「偽りの自分」で、過ごします。
「仮面ライダーシリーズ」も、そうですし、アメリカの映画やドラマでも、「バットマン」、「スパイダーマン」、「ヒーローズ」など、皆、普段は、「普通の人」を、偽って演じています。
「スーパーマン」という映画などは、もっと象徴的な映画です。
映画の最初から最後まで、スーパーマンが空を飛んで活躍するだけなら、あれほどの人気は、でなかったでしょう。
主人公が、普段は、「クラーク・ケント」という、ダメな会社員を演じているから、映画が面白くなったのです。
「偽りの自分だろうが、なんだろうが、いろいろな役柄を楽しんでも、いいのではないか?」
こういう視点をもつと、人生が楽しくなってくると思います。
まったく違う自分を、演じることによって、もしかしたら、本当の自分の部分も幅が広がり、新化しているのかもしれないのです。
「会社をやめるのか? それとも独立するのか?」
という白か黒かの二択ではなく、中間のグレーゾーンを選択してもいいのです。
「月曜日から金曜日までは、本当の自分を抑圧しながら、他人にあわせて、違う自分を、会社で演じる。でも、土日などの週末には、本当の自分を取り戻し、インターネットを使った、週末起業家として、ワクワクしながら、好きな仕事をやるぞ!」
こういう生き方が、あってもいいということです。
もしくは、
「私は、会社にいる時には、自分を押し殺して仕事していますが、会社をでてからは、好きなダンス教室でイキイキとした自分を取り戻し、思いっきり踊りまくるわ!」
こういう姿勢で、一日を送ってもいいのです。
24時間、ずーっと、「本当の自分」でなくてもいいということです。
極論すれば、ウルトラマンのように、一日のうちで、「本当の自分」に戻る時間は、3分間でもいい。
残りの時間は、「偽りの自分」を演じてもいいということです。
ただ、ここで、気をつけなくてはいけないのは、「本当の自分」を忘れてしまうほど、演じてはいけないということです。
これさえ注意していれば、どんどん、いろいろな「別の自分」に挑戦するのも、人生の醍醐味だということです。
「自分らしく生きる」
というのも、いいのですが、ぜひ人生の選択肢に、
「別の自分を演じてみる。自分以外の人間になってみる」
というのも、加えてもいいと思います。
「正真正銘の本当の自分」=「本当の自分」+「偽りの自分」
こういうことですね。
「偽りの自分」も、「正真正銘の本当の自分」の一部だということです。
表現を変えれば、「偽っている」のではなく、「演じている」ということです。
ほとんどの人は、「主婦の顔」、「タクシードライバーの顔」、「漁師の顔」、「営業マンの顔」、「八百屋さんの顔」、「車掌の顔」、「お父さんの顔」、「先生の顔」、「サラリーマンの顔」、「弁護士の顔」などなど、毎日、いろいろな顔を、演じています。
これは、考えようによっては、日々、いろいろな自分に生きながらにして、生まれかわっているということです。
素晴らしい学びのチャンスです。
俳優や女優になって、映画を演じるからこそ、学べることも多いのです。
だから、この世界では、いろいろな役を演じて、楽しんでみることも、人生の醍醐味なのです。
「偽りの自分は嫌だ…」
こんなセコイこと言ってないで、どんどん、違う自分を演じて、自分の幅を広げていきましょう。
それが結果として、「本当の自分」である「魂」の成長につながるのです。
「スーパーマン」もカッコイイのですが、それ以上に普通の生活をしている、「クラーク・ケント」も、カッコよかったのでは、ないですか?
このギャップと変身する瞬間が、よかったですね~!
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